はじめに
仕事、家族、人間関係、未来への不安……日々の生活で心にたまるモヤモヤやストレスは、漠然としていて「自分でも何にそんなに心を奪われているのか」が分からないことが多いものです。そんなときに役立つのが、“感情の色分け手帳術”。自分の感情を“色”で見える化することで、気持ちの整理がしやすくなり、心が軽く、前向きになれます。
感情の色分け手帳術とは?
感情の色分け手帳術とは、自分の感じた感情を色で区分して、手帳に記録する習慣のことです。例えば、「喜び=黄色」「悲しみ=青」「怒り=赤」「不安=灰色」など、自分なりの色分けルールを設けておく。これにより、日々の感情パターンが見えてきて、どんな出来事でどの色が増えるか、自分の心のクセが把握できるようになります。
メリット
- 自己認知の向上:自分が何を感じているか、どれだけの頻度でその感情が現れるかが分かるようになる
- ストレス対策がしやすくなる:ネガティブな色が多いときに、対処を考えやすくなる
- 感情の変化に気付ける:時間の経過とともに“色のバランス”が変わることで、心の回復や悪化を早めに察知できる
- ポジティブ感情の強化:喜びや感謝の色が増える工夫をすることで、ポジティブな思考が育つ
準備するもの
この手帳術を始めるために必要なものは、意外とシンプルです:
- お気に入りの手帳(スケジュール帳・日記帳など)
- カラーペンまたは色マーカー数種類(最低でも4色以上)
- 定期的に振り返る時間
- 感情を言葉で表すための語彙(「安堵」「焦り」「憧れ」など)
ステップ・バイ・ステップで始める方法
ステップ1:自分の“色のルール”を決める
まずは、感情をどの色で表すかを決めましょう。代表例を以下に示しますが、自分の感性に合う色を選ぶことが大事です。
感情 | 色 | 備考 |
---|---|---|
喜び・感謝 | 明るい黄色・オレンジ | ポジティブ感情を映す |
落ち込み・悲しみ | 青・淡いブルー | 冷静に向き合う |
怒り・いらだち | 赤 | エネルギーを感じる色 |
不安・緊張 | 灰色・紫 | 重み・曖昧さを表現 |
安心・安堵 | 緑 | 心が落ち着く感じ |
ステップ2:日々記録する
1日の終わり、または気持ちが大きく揺れたときに、どの色の感情がどれくらいあったか、手帳に記録します。時間帯や出来事、感情の大きさ(強さ)も書いておくと、より深く理解できます。
ステップ3:週ごと・月ごとに振り返る
週末や月末に、色の比率を見てみましょう。どの色が偏っていたか、どんな出来事がその色を増やしたかを分析します。そして、もし“ネガティブな色”が多かったら、その原因を探って、対処を考えます。
ステップ4:改善アクションを設定する
振り返りに基づいて、「黄色を増やす」「怒りを減らす」といった目標を立てます。例えば、毎晩感謝の言葉を3つ書く、ストレスを感じたら深呼吸を3回するなど具体的なアクションを設定しましょう。
実践のコツと続けやすくする工夫
- シンプルを守る:色をあまり多くしすぎない(5〜6色までが目安)
- テンプレートを用意する:手帳のページに「色別感情欄」「出来事欄」「気分の強さ」をあらかじめ設けておく
- きっかけを固定する:夜寝る前、食後など“記録タイミング”を決めて習慣化する
- 感情に優しい言葉を使う:自分を責める言葉ではなく、「こう感じた」「こう考えた」など観察的に書く
- ポジティブな色(喜び・感謝)の記録を増やす意識:小さな良いことでも色を使って表してみると心が温かくなる
よくある質問(FAQ)
Q1:色分けが面倒になったらどうする?
A1:まずは1日1色で十分。感情が強く揺れたときだけ色を増やすことから始め、慣れてきたら色や項目を増やしてもOKです。
Q2:ネガティブな色しか出てこない気がする……
A2:そういう日もあります。まずは認めることが第一歩。「どうしてこの色が多いか」を書き出してみてください。そして小さな“緑”“黄色”を意図的に入れる工夫をしてみましょう。
Q3:色を選ぶ基準が分からない場合は?
A3:まずは好きな色・イメージしやすい色を選ぶ。Webで「色 心理 学 感情」などで調べ、自分に響く配色を見つけるのも有効です。
この手帳術と相性が良い他の習慣
感情の色分け手帳術は、他のメンタルケア習慣と組み合わせることでより効果が高まります。例をいくつか挙げます:
- 自然音×深呼吸で心の疲労を解消するセルフヒーリング完全ガイド— 深呼吸や自然音を取り入れて、心が疲れた日の“色”をリセットする時間を持つ。
- 夜の“感謝3行日記”でストレスを手放すメンタルケア方法— 毎晩感謝を書くことで、黄色やオレンジといったポジティブな色を増やす。
- 人間関係のモヤモヤを解消する“境界線ワーク”入門 — 人との関係で感情に振り回されないよう、自分の限界や気持ちを整理する手助けとなります。
まとめ
感情の色分け手帳術は、「何が」「いつ」「どのように感じたか」を具体的に書き出し、自分の心の動きを客観的に見るための強力なツールです。色で表すことで見た目で分かりやすくなり、気持ちの傾向も把握しやすくなります。
まずは今日、手帳を開き、あなたが一番感じている感情に色をひと塗りしてみましょう。それだけで“内側のモヤモヤ”が少し晴れるはずです。
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